アフィリエイトの売上計上はいつ?成果発生日か報酬確定日のどちらか

アフィリエイトイメージ

最近副業が流行っていて、ブログを始める人も多いかと思います。

ブログをやっていて収入を得ている人もいると思います。

アフィリエイトって成果発生から入金まで、様々なタイミングがありますね。アフィリエイト収入の売上計上タイミングについては、「成果発生」と「広告主による承認」のどちらを基準にすべきか迷う方も多いでしょう。

今回はこれについて考えます。

目次

売上計上の原則的な処理は?小売業で考える

わかりやすくするため、あなたが小売業をしていたとします。

  • 注文が入る
  • 商品を発送(発送基準)
  • 相手で検収される(検収基準)
  • 相手から入金がある

現金基準という特殊な例もありますが、このステップで売上を計上しなければならないは、相手で検収されたタイミング(検収基準)です。

理由は、売上計上の原則的な処理は「実現主義」であり収益を得る権利が確定したタイミングだからです。

この例でいうと、相手側で問題なく検収され、商品を受け取ったタイミングで対価を得る権利が発生するからです。

そのため、相手で検収したタイミングで売上を計上するべきです。

ただし、発送基準をとることもできます。大量の商品を扱う場合は、その方が良いでしょう。

アフィリエイトではどうでしょうか。次につづきます。

発送基準:アフィリエイトで例えると

アフィリエイトの場合も入金までに、様々なタイミングがあります。

これをフローを考えます。

  • 成果発生
  • 報酬確定
  • 最低報酬金額の制限
  • 入金

先の小売業の例をアフィリエイトに当てはめると「1️⃣成果発生=商品発送」の考えることができます。例えば、アフィリエイト広告を通じてユーザーが商品を購入したりサービス登録したりした時点です。

例えば、2025年4月1日に成果発生→4月15日に否認された場合の会計処理

仕訳例

日付借方貸方金額摘要
2025年4月1日売掛金売上10,000円成果発生による売上

否認時の取消仕訳例

日付借方貸方金額摘要
2025年4月15日売上売掛金10,000円否認による売上取消

このように、未確定のものを売上計上すると否認がないか確認する手間も生じます。

よって、この段階での計上は以下のデメリットがあります

  • 否認リスク:広告主が不正や規約違反などを理由に成果を否認する可能性。
  • 売上未確定:成果発生時点ではまだ報酬が確定していないため、実際の収益として計上するには不適切。

もし成果発生のたびに売上を計上してしまうと、否認された場合には売上取り消しの処理が必要となり、手間が増えるだけでなく、会計処理が煩雑になります。

検収基準:広告主による承認を例える場合

小売業の例でいう「商品の検収基準」では、顧客が商品を受け取り、内容や品質を確認して問題ないと判断した時点で売上を計上します。

これをアフィリエイトに当てはめると、「広告主による承認」がこれに該当します。

具体的には、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)の管理画面で「確定報酬」として表示されるタイミングです。

例えば、2025年4月15日に成果承認(報酬確定)→5月31日に入金があった場合の会計処理

仕訳例

日付借方貸方金額摘要
2025年4月15日売掛金売上10,000円承認済み報酬の売上

振込時の仕訳例

日付借方貸方金額摘要
2025年5月31日普通預金売掛金10,000円報酬振込

この処理は次のメリットがあります

  • 売上確定:広告主が成果を承認した時点で報酬が確定し、取り消しのリスクがなくなる。
  • 会計処理の簡便化:否認リスクが排除されるため、一度計上した売上を取り消す必要がありません。

なぜアフィリエイトは検収基準で問題ないのか?

税法の売上計上の原則は「実現主義」です。

この原則では、報酬が確定したタイミングで売上として計上することが求められます。つまり、小売業であれば、検収基準であり、これをアフィリエイトでいうと「広告主による承認」が行われた時点です。

そのため原則どおり、初めて収益として認識するべきです。

また、成果発生ごとに売上計上すると以下の問題が発生します

  1. 否認された場合に都度取り消し処理が必要となり手間がかかる。
  2. 売上の信頼性が低下し、税務調査などで問題となる可能性。
  3. 会計処理が複雑化し、管理コストが増加する。

そのため、「広告主による承認」を待ってから売上計上することで、効率的かつ正確な会計処理が可能になります。

最低支払額がある場合の売上計上のタイミング

ASPによっては、最低支払額が設定されており、それに到達するまでは報酬が振り込まれないことがあります。この場合の売上計上は、最低支払額に到達したときに計上します。

具体例と仕訳

例えば、以下のケースを考えます

  • 2025年1月:成果発生 1,000円(最低支払額未到達)
  • 2025年3月:成果発生2,000円(最低支払額に到達。報酬が確定)
  • 2025年4月:振込

この場合、売上計上は2025年3月に行うことができます。

仕分けにすると

日付借方貸方金額摘要
2025年3月15日売掛金売上3,000円最低支払額到達による報酬確定
2025年4月30日普通預金売掛金3,000円報酬振込

こうなります。

報酬をamazonギフト券や楽天キャッシュで受け取った場合

アフィリエイト報酬をAmazonギフト券などで受け取った場合も、現金と同様に所得税の対象となり、確定申告が必要です。これは「現物給与」として扱われます。

3月15日に報酬が確定し、4月30日にamazonギフト券で受け取った場合を考えます。

商品券勘定を使うと良いでしょう。

日付借方貸方金額摘要
2025年3月15日売掛金売上3,000円最低支払額到達による報酬確定
2025年4月30日商品券売掛金3,000円アマゾンギフト券受取

後日5月10日に事業用に「参考書」1,000円のを買って、残額2,000円で事業用ではない個人で消費した場合は、事業主貸を使えば良いでしょう、

日付借方貸方金額摘要
2025年5月15日新聞図書費商品券1,000円事業用図書
事業主貸商品券2,000円

重要なのは、amazonギフト券をもらったとしても売上を除外ないことです。

給与所得者は副業のアフィリエイトの儲けは申告不要?

給与所得者(会社員)が副業をしている場合、年間の副業所得が20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要です。

儲けとは、収入から経費を差し引いた金額です。

ただし、年間給与が2,000万円を超える場合や、給与以外の副業の所得と副業以外の他の所得の合計が20万円を超える場合は、確定申告が必要になるので注意が必要です。

まとめ

アフィリエイト収入の売上計上は、「成果発生=発送基準」ではなく、「広告主による承認=検収基準」で行います。

この方法なら会計処理の煩雑さを回避でき、正確な収益管理につながります。

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この記事を書いた人

元・市役所職員の「ひとり税理士」。3児の父。
東京都荒川区在住、東京理科大学大学院修了。
19年間の公務員経験を経て、現在は独立・起業まもない方を中心に、完全オンラインで税務サポートを提供中。

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